分割という工程は
簡単そうで意外と大事な工程です。
ただ切り分けるだけ~と
適当に分割すると
焼き上がりにも影響がでてしまいます💦
今日はあなどってはいけない
分割のお話をしたいと思います。
分割とは、1次発酵後に
成形するために切り分ける工程のことです。
パン作り上達のためには
必須スキルです。
成形だけうまければ
きれいで美味しいパンが
作れるという訳じゃないんですね。
正直、全部の工程が
味と仕上がりに関係するのですが^^;
分割した生地の重さがバラバラだと
発酵の進み具合も分かりにくいし
焼成するときにも
小さく分割したものは
早く焼けてしまい
焼き時間に差ができてしまいます。
最近、パン屋の新規立ち上げで
技術指導をしているのですが、
未経験のアルバイトの男の子が
分割をしようとしていました。
食パンの生地を麺台に出した後、
生地をパンパン叩き始めたんです。
生地を切るのに
平らにしたかった?のかもしれません。
でも叩いてしまっては
せっかく発酵させた生地の
空気が抜けてしまいます。
パンチを入れているような状態に💦
パン生地は酵母が生きて発酵しているから
丁寧に扱わなくてはいけません。
生地の扱い方はとても大切です。
分割の時にあまりにも
生地を傷めてしまうと
その後のベンチタイムだけでは
生地が修復できなくなります。
修復できなくなるということは
成形時にもダメージが残ったままで
焼きあがった時にも
そのダメージは残ったままです。
そうすると焼き上がりの生地表面が
ぼこぼこしていたり、凹んでいる
という事になりかねません。
ちゃんと同じグラム数、
なるべく生地を傷めずに分割する必要があります。
分割は目分量ではなく
計りと
スケッパーを用意しましょう!


【分割の個数の決め方】
私は作る数で
仕込む量を決めていますが
既存のレシピで作る数を決める場合は
原材料の合計グラム数を全部足して
総グラム数を出し、作りたい数で割ります。
例
強力粉250g
砂糖20g
塩5g
パン酵母5g
水165g
バター15g
全部のグラム数を足す。
460g
8個の丸パンを作りたければ
460÷8=57.5g
だいたい55gくらいで
分割すれば8個とれる計算になります。
作りたい大きさ(グラム数)で
割って数を出す場合。
460÷50=9.2個
50gの丸パンを作りたいとすると
9個取れる計算になります。
分割するグラム数が決まったら
生地を仕込んで一次発酵後に分割していきます。
作る数や分割g数は、仕込む前に計算しておきましょう
生地はどんどん発酵していきます。
作る個数や分割グラム数を
決めたら生地の仕込み→1次発酵→分割ですね。
全体の大きさから
何等分にするか、
切る大きさをイメージして
スケッパーでカットします。

重量の感覚が掴める方は、端から一つずつ切り分けた方が早いです。
分割する時は
ノコギリのようにギコギコ切らないで
上からスパッと切ります。
そうしないと生地が傷んでしまって
その後の成形に影響します💦
切った生地の重量が少なかった場合
生地を後から足す時は、
生地の下に足した生地をくっつけます。
逆に上に生地を付け足して
上側を下にひっくり返して丸める人もいます。
その場合、分割前に麺台に生地を出すときに
きれいな生地が下側に来るようにします。
要するに最終的に
綺麗な面が表側になればいいのです。
成形時に表面になる部分の生地は
ダメージが少なく綺麗である必要がある
このポイントを守れば
やりやすいやり方でOK♪
表面になる部分は、
極力ダメージを与えず
つるっと綺麗な状態を保つようにします。
少ない手数数で分割する(生地を触りすぎない)
なるべくカットする回数は
少なく済ませるほうが
生地へのダメージは少ないです。
切るということは
パン生地のグルテン構造を
切断させていることになるので。
いくつもの余った生地を
ひとまとめにして
一つ分にするのは絶対にやめましょう。
分割する形は成形する形に合わせてカットする
丸パンなら四角形に。
バゲットの様な細長い成形なら
細長く分割します。
分割する形は重要です。
成形時、丸い生地を
細長く伸ばすのは大変です。
無理に伸ばすと生地は傷むし
なかなか伸びないし
いいことが一つもないです^^;
成形する時の形をイメージして
生地にダメージを与えず
伸びやすくなるような形に
分割すると生地が傷まず
ストレスなく成形できます。
簡単そうな分割ですが
ダメージを与えずに
優しく生地を扱わないといけない工程です。
少しの気遣いでパンは
劇的に変わります。
特にバゲットなどの
油脂の入らないリーンなパンは
ダメージを受けやすいです。
パン職人も細心の注意を払うのが
バゲットの分割・成形です。
形はかなり重要ですし
自分で成形するバゲットは
自分で分割したがる職人も多いです。
(とんでもない分割・丸めをされると成形するのが大変だから💦)
分割からすでに成形は始まっている!!
師匠に私が教わった言葉です。
分割丸めをどうやるかによって
その後の成形が
大きく変わってくるので
だいじな工程なのです。
手数を少なく、時短で、綺麗な断面は表側に!
生地を傷めないように分割する
とくにリーンな生地
(油脂の入らない生地)
は細心の注意を払って
優しく丁寧に扱いましょう♪
手粉の量に注意!!
手粉が足りなければ、
生地が台や手にくっついてしまって
生地が傷んでしまって扱いにくい。
多すぎれば滑ってしまって丸めにくいし
食べたときに粉感が残ってしまいます。
手粉が足りずに麺台や手に
生地がくっついてしまうのはNG(生地が傷むから)
手粉の使いすぎもNG
(滑ってしまって丸められなくなる、味にも影響する)
ぎりぎりくっつかない程度の
絶妙な手粉量で調整しながら分割して
成形に移っていけたらプロ顔負けです!
ここができたら
成形が上手な人より
おぉ!!プロかな?ってなります(笑)