塩抜きパンを食べたことがありますか?
その辺には売っていないと思いますが、
ごく稀にパン屋で誤って販売してしまったり
お客様の要望で作っているパン屋があります。
実際食べるとどんな味かと言うと、
塩入りパンとは比べ物にならないほど腑抜けた味をしています。
正直、おいしくはないです^^;
味にも大きな影響がある塩ですが、
他にも塩はパン作りにとって大事な役割をしています。
今日はパンに入れる塩の役割について
お話したいと思います。
パンは
小麦
酵母
水
塩
最低限この4つの材料があれば作れます!
砂糖やバターがなくても作れます。
バゲットやカンパーニュのような
ハード系には砂糖やバターなどの油脂が入っていません。
塩は小麦粉に対して
基本的に1%~2%程しか
配合しないのですが
ほんのちょっとしか入らないのに
かなり重要な材料なのです!
それはなぜなのか?
スイカやトマトに塩をかけると
もっと甘くなるって言いますよね?
きな粉餅のきな粉を作る時
砂糖と塩を少しだけ入れますよね。
どちらも甘みを引き立てているんですね。
それはパンでも同じで
塩が入っていないと
甘みも感じにくくなるし
塩味を感じないだけじゃなくて
味もボケちゃう。。
だから想像以上にふぬけた味でまずい…。
味だけでも多大な影響を及ぼす塩。
「味」以外にも重大な役割があります。
塩の入っていないパン生地って
すごくベタベタして、だら~んとしてます。
発酵はいつもより早いけど
ふくらみを維持する力が弱いから
だら~ん。。
なんで知っているかって?
塩を入れ忘れた経験があるんです💦
なぜ塩が入っていないと
生地がだら~んとしてしまうのか。
それは生地を捏ねたときにできる
グルテンと言う物質を
塩が引き締めて腰持ちを良くするのです。
なので塩が入っていない生地は
弾力性が弱くべたついたりしてしまう。
もしそのまま焼いたら
窯の中での膨らみもいまいちで
焼き色もあまりよくない
見た目も冴えないパンが焼き上がります。
塩は
パンの膨らみを維持する力に影響していて
ゆるみがちな生地に
弾力を持たせる力があります。
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上記の砂糖の記事で
メイラード反応のことを書いたので
焼き色が付かないのは
塩は関係ないんじゃ?って思いますよね。
塩が入っていないことにより
砂糖が分解され過ぎて
色が付きにくくなってしまうんです。
砂糖がなぜ分解され過ぎるのかと言うと
酵素が関係しています。
酵素の働きを抑制する塩。
その塩がないとより活発に酵素が働き
糖分を分解して発酵を促進させるんです。
なんだかややこしい話ですよね💦
要するに、塩が発酵を程よく抑制させて
焼くときにはまだ糖分を残してくれているんですね。
なので関係なさそうな塩が
焼き色にも影響を与えているんです。
掘り下げていったら
ちょっと小難しい感じになってしまいました^^;
少量で絶大な影響力のある
塩のお話でした。